土地のピーと自然物のピー
2008年04月01日
仏教国タイにあって、仏教やヒンズー教が入ってくるまえから信仰されていた土着のアニミズムが精霊ピーです。
精霊ピーは、人間の対処の仕方によって善にも悪にもなります。
善のピーは、人びとを守る守護神であるのに対し、悪のピーは人にさまざまな災いをもたらします。
敬謙な仏教徒が大半を占めるタイでは、仏教のほかにも土着のアニミズムが広く信仰され続け、人びとが生活するあらゆるところに精霊ピーが存在すると考えられています。
ピーは、人間の処し方次第で悪にも、また善にもなることから、人びとは土地や家屋、自然のあらゆるものを祀って、ピーの霊を慰めています。
●土地神のピー
土地神としてのピーは、自然物のピーが特定の場所の主として祀られたものです。
たとえば、タイでは各戸にサーン・プラプームと呼ばれる小さな祠柱があります。
これは屋敷の主、サーン・プラプーム・チャオ・ティを祀っています。
チャオというのは、「神」を意味します。
またほとんどの地域で、村落ごとに土地の守護神チャオ・ティの祠があります。
都市の守護神はチャオ・ラック・ムアンと呼ばれ、戦争、天災、疫病等の社会的危機が起こった際には、この守護神の祭祀が行われたといいます。
●自然物のピー
自然物のピーは、自然界のほとんどあらゆる物の背後に、精霊ピーが存在しているという考えから発達しました。
これらの精霊が特定の場所や物の主になると、チャオ(神)と呼ばれたのです。
これらのピーは、悪でもあり、善でもあります。
中立的なピーとして、人間を守護することもあれば危害を与えることもあります。
供養を行い慎重に取り扱えば危害はありません。
自然物のピーの例:
ピー・ナム(水のピー)
ピー・パー(森のピー)
ナーン・ターニー(バナナのピー)
ナーン・マイ(樹木のピー)
●悪霊のピー
ピーの中には人間に対し攻撃的に危害を加えてくる者もいます。
これが悪霊のピーです。
事故、疫病、産褥などによって異常死した霊は祖霊になることができず、再生もできません。
いつまでもこの世にとどまり危害を及ぼすと考えられていました。
悪霊のピーは、異常な死に方をした人のピー(コレラの悪霊や産褥死した人のピーなど)や、異常な欲望、あるいは形をもつピー、その他、動物の形をしたピーなどがあります。
タイでは生まれたばかりの子どもはピーの子どもと考える民間信仰があります。
生後3日目までは、ピーの子どもなのです。
ピーが自分に似せてかたどった粘土が母親の胎内に入ることによって懐妊するという考えです。
子どもは、生後4日目にして初めて人間の子どもになるのです。
したがって、生まれてすぐ死ぬ子はピーが連れ去ったと考えられます。
そのためタイでは、わが子がピーに連れさられないよう、子どもに蛙、犬、豚、水牛といったニックネームをつけます。
そうすることでピーの目をあざむこうとするのです。
無事、生後4日目を迎えることができ、ピーの所有を離れた子どもにはクワンと呼ばれる生霊が宿るとされます。
また、夜中や水のあるところに鬼火としてあらわれるピーがいて、このピーは、旅人の行く手を迷わせるといわれますから・・・要注意です!
これらを撃退するには、呪術的な手法によります。
サンガの提供するプラ・パリットやモー・ピー(呪医)、コン・ソン(依代)です。
2008年04月01日
カテゴリー:04タイの総合情報
